新型コロナの給付金・助成金は課税?非課税?

 新型コロナに伴う経済政策として、各種の給付金・助成金を受け取られた方も多いと思われますが、これらは「10万円の特別定額給付金」を除き、所得税の課税対象となっております。

 今回は所得税法の課税・非課税の基本的な考え方を見たいと思います。

 所得税法における課税所得は「各人に発生帰属した経済的利益のすべてを『所得』として把握し、明らかに非課税とする趣旨がない限り…すべてこれを『課税所得』としている(※1)」という考え方が採用されているため、その所得が特別の非課税規定に該当しない限り、課税所得を構成することになるのです。

 先ほどの10万円の特別定額給付金が非課税であることは、ニュースなどで取り上げられ広く知れ渡っていることと思いますが、これは新型コロナ税特法第4条第一号で特別に非課税と規定されているためです(※2)。

 他方、事業をされている方は、休業協力金・持続化給付金等の助成金を受け取られた方も見えると思いますが、これらは特別の非課税規定が存在しないため課税対象とされています。

 もし、休業要請に応じ貰った50万円は課税されず、まじめに働いて得た50万円に課税されたとすれば、課税の不公平感から「働き損」のような風潮を生みだしかねず、これも事業者向けの給付金・助成金に特別な非課税規定を設けていない理由の1つであると考えられます。

(※1)東京高裁昭和51年9月13日・昭和50年(行コ)(※2)新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律(令和2年法律第25号)

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