家族分の医療費は控除できる?(医療費控除)

1年間で支払った医療費の額(保険等で補填された部分を除く)が10万円(※1)を超える場合には、確定申告をすることで医療費控除が受けられます。

 1人では10万円を超えていなくても、家族全体の医療費を合算すれば10万円を超えるような場合、それらを合算して医療費控除が受けられる・・・と一般常識(?)になっているように思われますが、法律ではどのように書かれているのかを確認します。

 「居住者(納税者)が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合・・・その年分の総所得金額から控除する」(所法73)と書かれています。この条文を文字通り解釈すれば、自己又は家族の医療費を「納税者自身が支払った場合」と規定されているので、家族が支払ったものは控除できないということになります。

 しかし、実際はどうでしょうか?親族が支払った医療費も、納税者自身が支払った医療費と合計して医療費控除を受けられます。これは、生計を一にする配偶者その他の親族が支払った医療費であっても、生計が一(財布は一つ)であるため、結局のところ、納税者自身が支払ったものと同一であるという考え方からの実務上の取り扱いであると考えられます。

 一方で、親族の財布から支払ったことが明らかなもの(インプラント代金を支払うために、その親族の通帳からお金を引き出している場合など)は、合算できないと医療費控除が否認された例もありますので、医療費を合算するときは注意が必要です。(※1その年分の総所得金額の100分の5に相当する金額が10万円以下である場合には、その100分の5に相当する金額)。

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