農林水産物輸出拡大税制の創設(令和4年度税制改正)

令和4年度税制改正の大綱(以下、「大綱」とします。)が2021年12月24日に閣議決定されました。それによれば、農林水産物及び食品の輸出促進を目的として、輸出事業用資産の割増償却制度(以下、「農林水産物輸出拡大税制」といます。)を創設するとされています。

今後、世界の飲食市場の規模が増大すると予想されるなか、農林漁業者や食品業者の輸出に向けた意欲的な取り組みが行われるよう、政府による各般の施策が推進されています。その結果、2012年には約4千5百億円規模であった、わが国の農林水産物・食品の輸出額が、昨年1兆円を超える見込みとなるなど、年を追うごとに成長をみせています。このような成果を受けて、「食品・農業・農村基本計画」(※1)等において、輸出額を2025年に2兆円、2030年に5兆円とする目標が設定されたことを踏まえ、①日本の強みを最大限に活かす輸出重点品目(27品目)に係るターゲット国・地域や輸出目標が設定されるとともに、②マーケットイン(海外市場で求められるスペック(量・価格・品質・企画)の産品を専門的・継続的に生産する体制づくり)の発想で輸出にチャレンジする農林水産事業者の支援や、③政府一体として輸出の障害を克服するための対応の強化が図られています(※2)。このような対応を実現するため、農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律(以下、「輸出促進法」とします)の改正が検討されており、農林水産物輸出拡大税制の創設も、その流れを汲むものとなります。

大綱によれば、農林水産物輸出拡大税制とは、青色申告を提出する輸出促進法の認定輸出事業者が取得する輸出事業資産について、5年間30%(建物及びその付属設備並びに構築物については35%)の割増償却を認めるものとなります。

(※1)令和2年3月閣議決定 (※2)「農林水産物・.食品の輸出拡大実行戦略」 農林水産業・地域の活力創造本部

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