外貨建取引の円換算(邦貨への換算レート)

 確定申告の時期が近づいて参りました。申告に際して、外貨建取引を、①どのようなタイミングの、②どのようなレート用いて円換算するのかについて、迷う場合も少なくありません。

 外貨建取引の円換算は、原則として、①その取引を行ったときの、②外国為替の売買相場によるものとされています(※1)。具体的には、①円換算は外貨建取引の都度行うこととされ、②適用するレートは対顧客直物電信売相場(TTSレート)と対顧客直物電信買相場(TTBレート)の仲値(TTMレート)によることとされています(※2)。ただし、外貨建取引が不動産所得、事業所得、山林所得、雑所得にかかるもので、帳簿等を外国通貨表示で作成をしている場合には、継続的に適用する事を条件として、①その年の年末における為替相場(又は年平均値)により換算することができます(※3)。②その場合、売上等収入の計算及び資産の金額についてはTTBレートを、仕入その他経費等の支出の計算及び負債の金額についてはTTSレートを用いて計算することができます(※4)。このように、収入についてはTTBレートを採用し、必要経費についてはTTSレートを採用して計算した場合には、収入及び必要経費の両者についてTTMレートを採用して計算した場合に比べて、所得金額が少なくなります。

 これらのレートは、各金融機関において若干の違いが生じますが、原則としてその個人の主たる金融機関のレートを採用することとされています(※5)。

(※1)所法57条の3 (※2)所基通57の3-2 (※3)所基通57の3-7、及び同注書 (※4)所基通57の3-2 (※5)所基通57の3-2(注)1

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