私立学校入学に伴う寄付金は「すぐ支払わないで」

私立高校入試を終えた保護者から「入学手続きの際、学校から渡された書類に寄付金の納入書が同封されており・・・」と、任意ではあるが、納入しなければ子供の進学に影響するのでは、との相談がありました。

 そのような影響があるのかどうかはわかりませんが、納付をするのであれば「寄付を入学する年ではなく、翌年1月以降」にしたほうが、税務上の特典が受けられるため、検討をしてみてはいかがでしょうか。

 所得税法上、学校に対する寄付のうち、一定の要件に該当するものは、NPOなどに対する寄付と同様に所得控除(所法78)または税額控除(租法41の18の2)の対象となるとなるため、その寄付がこの要件に該当するのか否かを確認することが必要です。しかし、要件に該当していても入学願書受付の開始日から入学が予定される年の年末までの期間内に納入したものは「学校の入学に関してするもの」とみなされ、原則として、この特典を受けられないことに留意が必要です(所基通78-2)。

 私立学校の寄付金は、従来は設備費に充てられることが一般的でした。しかし、最近では成績優秀者の学費を免除する特別奨学金制度が増えており、学校はその財源に寄付を充てることで社会に優秀な人材を送り出すことができれば、そちらのほうがメリットは大きいと考えているのかも知れません。(注)所得控除は、年間の寄付金合計額-2,000円(年間総所得金額の40%が限度)、税額控除は、(年間の寄付金合計額-2,000円)×40%(所得税額の25%が限度)で計算される。

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
PAGE TOP