農業経営基盤強化準備金制度の対象者の要件の変更(追加)

 2022年(令和4)年4月1日以降に開始する事業年度から、農業経営基盤強化準備金(以下、「準備金」とします)制度の対象となる者の要件が変更(要件が追加)されます(※)。

 準備金制度とは、経営所得安定対策等の交付金を活用して、計画的に農用地、農業用の建物・機械の取得がなされるように、税制面から農業者を支援する特例措置であり、原則的に課税対象とされる交付金の額について、一定の要件を満たす農業者が、所定の手続きにより当該交付金を準備金として積立てた場合には、当該積立額を損金(必要経費)とすることができるといったものです。

 これまで、準備金制度の対象者は、①青色申告を行う、㋐認定農業者である、個人もしくは農地所有適格法人、又は、㋑認定新規就農者(個人)とされておりました。変更後は、これに②人・農地プランに位置付けられた中心経営体である事という要件が追加されます。したがって、変更後は、①かつ②の要件を満たした、㋐又は㋑の農業者が準備金制度の対象者とされます。

 「人・農地プラン」とは、農業者の高齢化・耕作放棄地の増加等といった課題へ対処するため、今後の地域農業の中心となる経営体や、将来の地域農業の在り方などを、地域の話し合いに基づいて明確化したもので、市町村により公表されています。しかし、実務的には、人・農地プランの中で地域の中心となる経営体として位置付けられているとしても、何らかの証明書が発行されるといったこともないことから、自身が中心的な経営体か否かについて、認識が曖昧な場合が散見されます。したがって、引き続き準備金制度を活用する場合には、自身が中心的な経営体であるのか否かについて、経営農地が所在する市町村への確認が必要といえます。

(※) 個人の農業者の場合には、令和5年分の所得税からの適用となります。

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