住民税の医療費控除について(所得税額が0の場合)

ご自身で確定申告書を作成している者から「社会保険料、生命保険、配偶者、扶養控除等を受けたら、所得税額が0になるときは、わざわざ医療費を計算して控除を受けても、意味がないですよね?」と質問を受けることがよくあります。

 多くの場合は「Yes」なのですが、稀に「No!」の場合もあるため、注意が必要です。

 一般的に、所得税額が0であれば、住民税(所得割。以下同じ)も0となるのだが、ごく稀に所得税額が0であっても、住民税が若干発生する場合があり、その場合には、住民税で医療費控除を受けることで節税を図ることができます。

所得税も住民税も同じような方法で税計算がされます(※1)。しかし、所得控除が所得税より住民税のほうが低く設定されている(※2)ため、所得税では各種所得の金額<所得控除額となり所得税額が0となる場合であっても、住民税では各種所得の金額>所得控除額となり若干の課税所得金額が生じ、その場合、住民税が発生します。このような場合には、所得税で受けられなかった医療費控除を住民税で受けることで、住民税の節税を図ることができます。

なお、給与所得のみの一般の会社員は、年末調整で所得税が全額還付された場合には、たとえ医療費があっても、これ以上還付の対象となる所得税が存在しないため確定申告を行えないが、別に住民税の申告を行うことができるため、このような場合に該当しそうな場合には注意が必要である。※1所得税も住民税も、各種所得の金額から所得控除を引いた課税所得金額に税率を乗じて税額が計算される。※2 例えば、扶養控除は所得税では38万円であるのに対し、住民税では33万円である。

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