はずれ馬券は必要経費に含められるのか?

 競馬で6,400万円の大当たりしたお笑い芸人が、税務申告後に、税務調査が入り高額追徴課税されたというニュースが話題になっております。

 競馬の払戻金は、原則、一時所得となるため、「総収入金額-収入を得るために支出した金額」が年間50万円を超えていれば確定申告が必要になります。この「収入を得るために支出した金額」とは、その収入を得るために直接要した金額をいうため、競馬の場合は当たり馬券の購入費用のみがこれに該当し、はずれ馬券の購入費用は該当しないということになります。

 今回のことは、税務申告の際にはずれ馬券の購入費用を含めていたことが原因でした。

 しかし、はずれ馬券の購入費用が必要経費として認められた例(※)もあるため、競馬ファンにとっては納得のいかないルールのようである。

 この点、はずれ馬券の購入費用が必要経費として認められる雑所得に該当するケースについて「馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき…年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入…年間を通じての収支で多額の利益を上げ…回収率が…100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合」(国税庁:平成30年7月)に限るとしているため、一般の競馬ファンの方は、従来通り一時所得として申告をすることになります。

(※)最高裁平成29年12月15日判決は「本件の競馬の馬券の払戻金については、馬券購入の態様や利益発生の状況等から雑所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当する」としている。

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