年末調整は便利な仕組みなのか?を考えてみる

 12月になり、年末調整の時期になりました。

 この年末調整は、給料から所得税を「源泉徴収」で天引きし、その天引きした1年間の源泉徴収税額の合計額と、正しく計算した1年間の所得税額との差額を、会社が調整する制度で、通常は源泉徴収税額のほうが多く計算されますので、差額が還付されることになります。

 また、収入がその給料のみである人は、1年間の所得税計算はこの年末調整で完結し、ほとんどの人は確定申告をする必要はありません。

 この年末調整の制度は、一見「難解な税務申告をしなくても会社が無料で税計算をしてくれる」便利な制度のようにも感じられますが、果たしてそうなのでしょうか?

 アメリカやフランスでは、源泉徴収制度はあっても年末調整制度がないため、給料から源泉徴収された所得税の還付を受けるために、自分で勉強して確定申告をする、また若干裕福な人は税理士に申告をしてもらうことで還付を受けるそうです。つまり、税の仕組みを知らないと非常に損をするため、無知ではいられないようです。

 確かに、年末調整で完結すれば難解な税法を覚えなくても困りませんが、年末調整でカバーできない状況(退職をしたり、住宅を建てたとき、医療費がかさんだとき、泥棒が入ったとき・・・)に直面した際は、確定申告をすればさらに還付を受けられる場合がありますので、やはり全く知らないというのでは大切な財産を少しずつ失うこととなりかねませんね。

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