非居住者の暗号資産等取引情報の報告制度の整備

 OECDにおいて策定された自動的情報交換に係る暗号資産報告枠組み(Crypto-Aseet Reporting Framework、以下「CARF」とします。)に基づき(※)、令和6年度税制改正において、「非居住者に係る暗号資産等取引情報の自動的交換のための報告制度の整備」が行われます。

 CARFは、国内の暗号資産等交換事業者に、非居住者の暗号資産等に係る取引情報を税務当局に報告することを義務付ける制度であり、租税条約に基づいた自動的情報交換の一つとされます。具体的に見れば、以下の通りです。

 国内の暗号資産等交換事業者は、利用者が暗号資産等取引を行う際に、利用者から①氏名(又は名称)、②住所(又は本店所在地)、③居住地国、④居住地国における納税者番号等を記載した届出書の提出を受け、所轄の税務署に、①~④の事項に加えて⑤その年の暗号資産等の種類ごとに、暗号資産等の名称、売買の対価の額の合計額、総数量及び件数についての情報を提出することが義務付けられます。提出された情報は、租税条約の情報交換規定により自動的に国税庁から非居住者の居住地国の税務当局に提出されます。

当該改正は、2027(R9)年に2026(R8)年分の取引について初回の情報交換を実施することが予定されていることから、2026(R8)年1月1日の施行が予定されています。暗号資産等交換事業者には、施行までの間に、暗号資産等取引利用者の税法上の居住地国等の特定、報告手続きの整備が求められます。(※)日本を含む48ヵ国・地域は2023年11月10日に共同声明を発表し、自国の法整備を進め2027年までに情報交換を実施するとしています。

最近の記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
PAGE TOP