外国人の中国・社会保険への加入 について

中国では、2011年7月に社会保険法が施行されて以降、中国で働く外国人についても社会保険への加入が義務付けられています。これに対して、上海市ではこれまで外国人の社会保険への加入については、必ずしも明確な方向性が示されておらず、多くの外国人が社会保険に未加入の状態となっています。今回は、中国における外国人の社会保険への加入について概説します。

1.中国の社会保険と外国人の加入義務

中国の社会保険については、2011年7月に施行された社会保険法により規定されています。日本の年金制度や健康保険制度のようなすべての国民が加入することを前提とした制度と異なり、中国の社会保険は、会社等の事業単位(以下、「事業単位」とします。)で働く労働者が参加することを前提とした制度となっています。

事業単位で働く外国人の社会保険への加入については、社会保険法の施行前は、法律上特段の規定は存在していませんでしたが、2011年7月以降は社会保険法及び関連法令により事業単位で働く外国人の社会保険への加入が義務付けられています。具体的には、工作許可証もしくは永住居留許可を取得して中国国内で働く外国人が加入義務の対象となります。 なお、外国人が加入を義務付けられる保険は、社会保険法が規定するいわゆる五険(養老保険、医療保険、失業保険、労災保険、生育保険)であり、住宅積立金はこれに含まれません。

■保険の種類と料率

2.日中社会保障協定との関係

2019年9月1日に日中社会保障協定が発効しています。日中社会保障協定(以下、「本協定」とします。)では、日本及び中国の両国間おける社会保険負担の重複を避けることを目的として締結された条約ですが、対象となる保険は養老保険(日本側では年金)のみとなります。本協定では、日本から中国への赴任の場合、中国から日本への赴任の場合、の双方が適用対象となりますが、混乱を避けるため、ここでは日本から中国への赴任の場合を前提として説明します。

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